よく目にする耳にするIT用語の基礎知識~仕事で使える基礎知識編~

はじめに

このお話は、「カタカナ語なんて大嫌いだ!」「アルファベット略語ばかりでなんなんだ!」「IT?なにそれ食えるの?」といった方向けに、いまさら人には聞けないけどよく目にする、耳にするといったお話を独断と偏見でざっくりとまとめたズボラ式用語集です。

仕事の新人研修用に作った資料の転載です。

働く上で知ってないと困る時があるけど誰かが教えてくれるようなものでもないものを取り上げています。

そんな感じで見てもらえれば、これ幸い。

IT用語ってなんで小難しく言うの?

かっこいいからです。

また、基本的にコンピュータ関連の最新技術は主にアメリカで開発されることが多いです。そのため、アメリカでの言い回しなどがそのまま輸入されて翻訳されないまま使われるので小難しい表現が多く存在します。
さらには、もともとの英単語だと日本語読みした時に長くて視認性が悪い、といった理由からアルファベット略語ばかりであることも小難しく感じる要因の一つとも言えます。
・IT(Information Technology):情報技術
・ICT(Information and Communication Technology):情報通信技術


覚えなくてもいい?

覚えたからと言って給料が上がるとか、宝くじに当たりやすくなるといった利点は見られません。しかし、昨今のIT転換の潮流により、業務上・私生活上ある程度の向上がみられるかもしれません。
例えば、昨今のLINE問題や携帯会社の格安プランなど、IT基礎知識はあればあるだけ人生を豊かにしてくれる「可能性」が存在します。
「知りたいことを知れる分だけ」や「興味のあることから」で十分だと思います。
人生を楽しく豊かに心地よく軽快に過ごすために知っててお得なことは積極的に知っておきましょう。

生活でも使える基礎知識編はこちら


インストール(Install)

コンピュータ上でソフトを利用できる状態にすること。
in:中へ、st:立つ、が語源で「設置する」という意味。Windowsでソフトを利用するための処理には、大きく分けて2種類ある。一つは実行ファイル「EXE」単体で動作するソフトであれば、当該のソフトを入手し、Windows上のどこか(フォルダ)に格納する。もう一つは、Windowsの設定と紐付けをして、Windowsの設定をソフトが共有した状態にすること。Macはよくわからん、多分後者のものがほとんどな気がする。


アンインストール(Uninstall)

コンピュータ上でソフトを削除して利用できなくすること。
頭のunは否定の接頭辞。インストールと同様に大きく分けて2パターン。


エクスプローラー(Explorer)

フォルダを見るためのソフト。
直訳は「探検家」である。HDDやSSDの中のデータを探しに探検するのだ。個人的に、ファイル拡張子をデフォルトが非表示状態なのがPCオンチを増やす助力をしていると思う。ちなみにいろんなソフトが実はあるので、便利そうなものを探して使用してみるのも良いかもしれない。


パス(Path)

データの所在地。
直訳は「小道」である。データまでの道筋をしっかり全て表す。どこかが抜け落ちると目的地までたどり着けないのはコンピュータも人間も同じ。人生や仕事の道筋もしっかり全て表されていたらいいのに。


ドライブ(Drive)

データやシステムなどを置いておく物としての場所。
直訳は「走らせる」である。「何も走ってないじゃん。」とお思いの方、残念。磁気円盤(記憶ディスク)の上を磁気アーム(記録させる部品)などが走っているのである。それもめっちゃ早く。通常Windowsが格納されている場所は「Cドライブ」である。「Aは?Bは?」とお思いの方、筋がいい。昔々は使っていたけど今はAドライブもBドライブも使われなくなって名残だけなのが「Cドライブ」という名称。
ちなみに、SSDはドライブというけれど、USBメモリなどのフラッシュメモリ系統は基本ドライブと言わないでデバイスということが多い。


ファイル(File)

ユーザーが使用できるデータの塊。
直訳すると「書類」となる。現実の書類は紙だが、コンピュータの書類はファイルになっている。この時に書類の種類を示すものを拡張子という。「xlsx」とか「docx」とかである。拡張子によって、この書類はExcelで見れるし書けますよ、ということをコンピュータが認識することができる。


フォルダ(Folder)

データを置いておく場所。
Fold:折る、er:人、が語源で「紙ばさみ」というのが直訳。なんだそれ、逆にわかりにくい。一般的に多くの人が「フォルダ」と呼んでいるものは「エクスプローラー」というソフト。そして画面に表示されているのはフォルダの中身。


フォント(Font)

文字の形。
人間が描く文字の形が幾種類もあるように、コンピュータの文字の形も幾種類もある。「明朝」とか「ゴシック」とかがフォント名で文字の形の名前。自分で新たに作ることもできる。モニター上と印刷物では視認性が異なるのが人間工学的に面白いと思う。
ちなみに、ドミノピザとルイヴィトンのブランドロゴに使われているフォントは同じ「Futura」というものである。



文字コード(Character Code)

文字を表すための種別。
世界には6500種以上の言語体系があると言われている。そして、それぞれの言語体系の中で使用される文字の体系は400種類にも及ぶらしい。昔はコンピュータに入力・出力できる文字はほぼ英語オンリーだった。そんないろんな文字を表すための仕組みが文字コードと呼ばれるものだ。「ASCII」という文字コードで書かれたデータはアルファベットしか見れないし、「Shift-JIS」だと外字と呼ばれる表現できない文字が発生したりする。そんな中、ほとんどの文字が表現できる「UTF-8」がメインストリームだ。


2進数

0と1で数字を表す方法。
コンピュータはすべての処理が「0:OFF」か「1:ON」の2進数が基本である。2進数で「10」といったら日常で使う数の「2」を指し、日常で使う「10」は2進数で「1010」と表される。
ちなみに、これを使えば片手で数えられる数は0~5ではない。0~31まで数えられる(2の5乗)。


10進数

0~9で数字を表す方法。
普段もっとも目にする数の数え方がこれ。10進数で「10」といったら日常で使う数の「10」を指し、日常で使う「10」は10進数で「10」と表される。「10」がゲシュタルト崩壊してしまいそうだ。


16進数

0~9とA~Fで数字を表す方法。
先に上げた2種類よりもっとも目にする機会が少ないだろう。16進数で「10」といったら日常で使う数の「16」を指し、日常で使う「10」は10進数で「A」と表される。コンピュータの世界では2進数が基本である。したがって、使われる単位は2のn乗の場合がほとんどである。16は2の4乗であるためコンピュータ上の表現がいろいろやりやすいのでよく使われる。バイナリデータと呼ばれるものも基本16進数を用いて表現される。


VBA(Visual Basic for Applications)

Microsoft Office向けに開発・搭載されたプログラミング言語。
もともとは「Visual Basic」というプログラム言語であり、Excel用やAccess用などに改造してもっと広い人に使ってもらおうという趣旨から生まれた。ここでいう「Applications」とは主にMicrosoft Office製品群のいずれかであり、更に言うとExcelやWordなどのアプリごとに微妙にカスタマイズされているため、微妙に文法や使用できる機能に差があったりする。


変数

一時的にデータを入れておく箱のようなもの。
データは基本置き場所が必要である。置き場所がない場合、特にプログラム上では様々な数やデータを取り扱うため、できたデータが水のようにこぼれて流れてどこかに行ってしまう。また、同じ計算結果を2回3回使うために毎回計算し直すのもバカみたいな話である。そんな時に使えるのが変数。データを一時的に保存しておいて、必要な時に取り出す。100均のカゴの様な存在。
なお、このカゴを使うコンピュータのピュウ子ちゃんは非常に真面目かつ几帳面な性格で、全てのカゴに名前のラベルを貼っている。しかも日用品のカゴに食材は入れない。かと思うと「もうめんどくさいから何でも入れちゃえ」ってカゴを作るときも。


エクスポート(Export)

システムやデータベースから、データのみを書き出すこと。
ex:外へ、port:運ぶ、が語源で「輸出する」という意味。人間の世界では国と国との間で輸出を行うが、コンピュータの世界ではソフトとソフトとの間で輸出をする。OSはさしずめWTOのようなものだろうか。


インポート(Import)

システムやデータベースに、データを取り入れること。
im:中へ、port:運ぶ、が語源で「輸入する」という意味。コンピュータの世界ではソフトとソフトとの間で輸出をすると前述したが、感覚的にはデータファイルをソフトから出す・ソフトに入れるという感覚に近い。


CSV(Comma Separated Values)

「,(カンマ)」で文字列と文字列が区切られたテキストデータ。
Excelのデータの一種だと思われがちだが、実はそうではない。単に区切られているのでExcelで見やすいというだけである。Windows標準アプリ「メモ帳」でも見れるが、どちらかといえばこの見方のほうが本来正しいかもしれない。


固定長データ

1行の文字の長さが全て同じになっているテキストデータ。
CSVと似たような役割をもたせたデータで昔ながらのシステムに用いられることが多い気がする。正直使い勝手が悪いし、視認性も悪いし、バグの温床にもなるしで個人的には現代におけるメリットはないと言い切れる。ではなぜ昔はこんなデータ様式を使っていたのか?
そう、それは「データ容量の削減」である……。


テキストデータ

文字だけで構成されているデータ。
人間がデータファイルの中身を見て視認できる唯一のデータ形式である。対義には「バイナリデータ」という。ただし、データは基本全てバイナリデータであるが、一般的にはテキストデータとバイナリデータは区別されることが多い。「バイナリ」自体は、「2進数の」という意味である。


画像データ

文字ではなく色または線や面を表現するデータ。
コンピュータで絵を表現するのは、人間の網膜のように点描で表現する「ラスター」と、関数でグラフ曲線を描くように表現する「ベクター」がある。


ラスター画像(Raster Image)

点で色を描写し絵を表現する画像。
ビットマップ画像とも言う。マス目マス目が色を持ち、全体を表現する。画像のサイズが大きければ大きいほどデータ容量が重くなると言った特性がある。また、拡大して表示するとモザイクがかったように見える。
なお、写真データであるjpegが代表例。


ベクター画像(Vector Image)

線や面で色を描写し絵を表現する画像。
ベクターとはすなわちベクトルである。線を表現するのであれば、ラスター画像は10マス分黒色というデータになるが、ベクター画像は座標xから座標yまでの線というデータになる。データ容量はラスター画像ほど重くなりにくい。また、拡大して表示してもモザイクがからずなめらかに見える。
なお、Adobe社製品Illustratorのデータであるaiが代表例だが、身近なところでフォントデータもベクター画像に近いものである。


PDF(Portable Document Format)

Adobe社が開発したドキュメントファイル。
もともと文書を共有することを目的に開発された。だから誰が見ても同じ様に表示されて、簡単に情報更新ができないようになっている。


OCR(Optical Character Recognition)

画像を分析して文字を読み取りテキストデータを作る技術。
人間は「あ」という形状を見た時に、「あ」を「文字」として学習していたら「あ」と読める。コンピュータも同様に「あ」という形状をデータ的に分析した時に、「文字」として断定できるなら「あ」というデータを作る。しかし、人間でもよくあるのが「これなんて字だ?」という事象だ。人間なら前後の文脈などから判断して文字を読むがコンピュータはしない。「あ」より「お」に見えるのであれば「お」というデータを作る。近年ではAIを組み合わせて前後の文脈から判断するOCRもある。


レイヤー(Layer)

データの重なり、重なっているものの一つ。
直訳すると「層」である。一般的にはPhotoshopやIllustratorなどの絵を描くソフトで使用される。


マージ(Merge)

複数のデータを一つのデータにまとめること。
まとめ方は様々だが、重要なのはマージするデータとデータは同じ構造を持っていることが必要であるということ。WordファイルとExcelファイルはマージできないし、英語のノートと世界史のノートをマージしても意味のわからないものが出来上がる。


スプリット(Split)

一つのデータを複数のデータに分割すること。
分割の仕方は様々だが、重要なのは分割したデータとデータは同じ構造になっているということ。WordファイルからExcelファイルへは分割できないし、英語のノートを分割しても世界史のノートにはならない。


クライアント(Client)

サービスを利用するコンピュータのこと。類語としてユーザーとほぼ同義。対義語はサーバ。
直訳すると「顧客」となる。一般的には「クライアントPC」などと表現されるが、意味としては「サービスを直接利用するユーザーのパソコン」を示す。


シンクライアント(Thin Client)

処理のほとんどをサーバ側で行い、クライアント側では最低限の処理しかしないシステムのこと。
thin:薄い、client:顧客、が語源で「負担の少ない顧客」という意味。もともとは、処理をサーバ側でやるから、薄っぺらなパソコンでも作業できるよ、というようなシステム。仮想デスクトップ環境の利用に特化したパソコン自体を指す場合もある。


仮想デスクトップ(Virtual Desktop)

OS上で動く別のOSのこと。
一般的なのは、自分はMac使っているけど、Windowsでしか動かないソフトを使わなきゃいけない、この時に仮想デスクトップとしてMacの中でWindowsを動かして、そのWindowsでソフトを使用する。また、サーバ上でWindowsを動かして、自分のパソコンは入力や画面表示だけ行うようなサービスを指す。


入力(Input)

現実世界の情報をコンピュータ世界に入れること。
in:中へ、put:置く、が語源。キーボードやマウスなどが現実世界とコンピュータ世界の仲介人。


出力(Output)

コンピュータ世界の情報を現実世界に出すこと。
out:外へ、put:置く、が語源。モニターやプリンターがコンピュータ世界と現実世界の仲介人。


デバイス(Device)

コンピュータに接続して使用する機器を指す。
直訳すると「端末」である。キーボードやマウス、モニター、プリンター、スピーカーなどなどいっぱい種類はある。


ローカル(Local)

自分のコンピュータのこと。対義語はリモート。
直訳すると「地元」である。ネットワークに繋がっているコンピュータの中で自分の元にあるコンピュータを指す。


サーバ(Server)

サービス提供するコンピュータのこと。
Serve:仕える、er:人、が語源。フォルダがあるところだけのイメージが強いが様々なサービスを提供する。


OR(Operations Research)

組織体の機能を有効に発揮させるために、状況を分析し、数学的な処理をして適切な方策を立てる研究。
Operation:操作、Research:研究、が語源。人間の仕事、いわゆる手仕事というものは経験則が何より重視される。これによって経験者と初心者の仕事の運営には差が生じる。経験者は経験則により適切な運営の仕方を選択することができるからである。
ORはこの経験則を数的、統計的な分析によって導き出すための手法や考えである。


DX(Digital Transformation)

「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念である。類語はデジタルシフト。2004年にスウェーデンのウメオ大学教授、エリック・ストルターマンによって提唱された。
IT分野は歴史が新しいようで古く、古いようで新しい。新しい技術や概念、サービスが次々に生まれては消えを繰り返している最中にいる。そして、人生におけるウェイトも時間に比例して比重が高くなり、今後も渦中にあることは変わらない。
そんな中で生きる上で「ITなんて苦手だよ~!」では逆にDXの精神とは離れていくだろう。この機をきっかけに、少しでも目の前の物体の裏側にある世界に思いを馳せて、ささやかながらあなたの人生の一助となれればこれ幸いです。
が、しかし!だがしかしだ!なんでもかんでもすべからく「ITだ!」「デジタルだ!」でも生活が豊かになるとは限らないと思う。デジタルでもアナログでもITサービスでもマテリアルサービスでも様々な選択肢からその時その時に適切なものを選択できるバランス感覚がもっとも大切な時代なのかもしれない。




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